日下部ラヂヲ商會

カムバックHAMです。昔諦めた電信を習得して六大陸と交信するまでを綴る、筈でした。

FT8レヴュー・2日目

一昨日の午後から切れ間無しに雨が降り続いている。おかげでお盆休みのサイクリング計画がパー。別宅に居てもすることが無かったのだけれども、昨日から出来た。日本時間10時シャック入り。

リグとPCの電源を入れて、時計合わせアプリとWSJT-Xを起動。昨日の途中からWSJT-Xの起動時に「ADIFログスキャンエラー」が出るようになった。

原因は恐らく、ログディレクトリーからADIFファイルをコピーしたから。Windowsのファイルマネージメントはナーバスなので、Macの感覚で使うとしばしばこういうのが出る。エラーが出るだけで実害はないため放置しているが、本当はどうやってログをエクスポートするのが正しいのだろう。WSJT-Xのバグ。ログをメモ帳で開いてヘッダの終端の文字列「eh」を「eoh」に修正して保存すればOK。情報提供:先人達

バンドスコープで空いてる周波数を探してワッチ。ふとDTを見ると1.8とかになってる。さっき時計合わせた筈だが。アプリ上では補正と表示が出るが、実際には合っていない。再起動もしてみたが状況変わらず。原因が分からないので暫く放置。1時間程経つといつの間にか0.1程度になってた。運用開始。

昨日と違ってJAよりDXのほうが多い。CQを出すといきなりHLが呼んできた。幸先良いと思ったのも束の間、次が続かない。矢張りDXが聞こえていると皆さんそっちへいってしまうのね。昨日のログを分析すると、受信レポート(SNR)が滅茶苦茶悪い。31Qでプラスのレポートが僅か3Q。最低はマイナス20dB、平均マイナス9.9dB。まぁワイヤーアンテナに5ワットだし、呼んでも届かないのは仕方ない。でも近い局なら届くかも。ということで、8N9OLPを呼んでみた。こちらから+17dB、返ってきたのは+1dB。直線距離5〜6kmなのに。この後CQを出していたら、ローカルのDX'erが呼んできた。これは強かった。Send+21dB、Rcvd+13dBだった。この局はOLPより更に近く、近過ぎてPSKRでは0kmと表示されていた。

レポートがリアルなのはFT8の利点。電信電話だとどうしても感覚的な補正が入る*1が、デジタルは機械が計測した数値なので信頼性が高い。電信電話より早くバンドコンディションを把握するのに便利だと思う。

今日は他には8J8OLYMPICと交信。DX呼び回りはVK8、YB、BVと成立。3D2、HS、5Wは呼んだけど届かなかった。2日間で6カントリーWKD。もうLoTWにコールサイン証明書を請求してみようか。ちなみにJAの0エリアは今日も出来なかった。

いまある疑問

・交信の最後に「RR73」を送るにはどうしたらよいのか?テキスト欄を書き換えても次のシークェンスでは元に戻ってる*2。【8/19追記】Tx4ボタンのダブルクリックでRRRとRR73を切り替えできる。情報提供:先人達
・レポートを受信していないのに相手から「RR73」が送られてきたら、自動的に交信終了してしまうのが1Qあった。交信成立でいいのか?
・当局に優先権が無いのに違う局から呼ばれて応答したら、その周波数で送信してしまった。こういう場合はどうすればいいのか?

*1:実はコンテストしかやらないので、599又は59以外のレポートをもらったことがない。

*2:WSJT-Xデフォルトの「73」でも問題ないようだけど「73」が返ってきたことは皆無なので不思議。

FT8デヴュー

1コ前のエントリーにも書いたのだがFT8で初交信を達成。9エリアのコールサインを使用して31年ぶりに常置場所から送信*1。局免許は2017年3月に再取得し、デジタルモードの届出もしてあったのだけれども、他にアクティヴなコールサインがあるので後回しになっていた。でもこのコールサインで出るならCWかデジタルしかないなとは思っていた。

今日だけで31QSO。すべてCQを出してのQSO。こちらから呼んだのはぜんぶ駄目だった。DXもYB、BV、UA0から呼んできた*2CQ出してDXに呼ばれるのは一種の夢だったのにあっさり叶った。PSKRによると、UA0、HL、BV、BY、VR、DU、YB、VK、ZLには届いていた。地を這うようなワイヤーアンテナに5ワットで。

QSLは電子専門でやるつもり。紙カードを発行する予定は無いので連盟は入らない。

Clublogには予め登録してあったのでADIFをアップロード。

ブランク期間がすごく長い。

暫く見ないうちにグリッドスクエアなるメニューが出来ていた。

1DAY AJDまであと一歩だった。0エリアはこちらから呼んだがCQ連発だった。0を呼んでるのに1の別の局から呼ばれたりするし。粘れば出来たかもしれないが、日本時間15時半頃になるとヨーロッパが聞こえてきたので、DX'erの先生のお邪魔にならないよう引っ込んだ次第。

あと、eQSLに登録。インターフェースデザインが一新されてて驚いた。

皆さんログアップが異様に速い。どういう仕組みになっているのだろう。

LoTWはもう少しやってみて、飽きないようならT-QSLにコール追加するか。実は飽きるのが早いんじゃないかと思っていたりもする。*3

なんにせよ、何をやっているかわからないアマチュア無線が1コ減ったのは嬉しい。

*1:1990年9月の台風19号でルーフタワーが倒壊して以来HFのアンテナを上げなかった。

*2:DXコンテストでよくQSOして頂いてるRU0LL局はFT8でも強力だった。コール違うから判らんと思うけど。

*3:電波を出すまでの道は長く険しかった。けれども、交信はあっけなく簡単に終わる。合理化されすぎていて交信というよりコールサイン集めのイメージ。

2021年お盆休みの別宅シャック

kiwiSDR撤去

 昨年暮れ頃から何をやっても外部から繋がらなくなり放置状態にあった。数日前に試したら内部からも動作しなくなってた。SDR.huプロジェクトが終了した影響だろうか。設置以来2年間でNYPの十二支達成や8J1RL受信など十分な成果が得られた。もう役割は果たしたと思うので撤去。ルーターの静的IPマスカレード設定も削除。

准員年会費の自動払い込み停止

 今月末の准員会員資格更新の前にクレカ自動決済にしていた年会費支払いを手動に変更した。連盟の会員ページに「准員から正員へ移行したため、今まで持っていた准員ナンバーでのSWLカードの転送を受けたい方」は転送手数料を支払えばビューローを利用できるとあるので、1のコールの正員資格で9のSWLナンバーを登録できるかやってみたくなったから。メインレシーバーを撤去してリモートSWL活動をできなくなったのも大きい。3年かかって回収したSWLカードもあるのでまだ届く可能性はある。あと、未開封のJNが溜まっていくのが地味に負担なのだ。JN不要オプションがあればいいのに。

FT8にチャレンジ

 デジタルモードは当局の中ではサテライトやWires-Xと同じく、何をやっているかわからないアマチュア無線にカテゴライズされてる。サテライトなどは1ミリも理解できないしする気もないのだが、FT8は受信はできてるので幾分マシ。ブラックホールと底なし沼の違いぐらいには思えなくもない。

 少し前のVer.アップでメニューがローカライズされたのだけれども、どうやって交信すればいいのか相変わらず分からない。実際のオペレーションを見ないと分かりませんね。けれども、見せてくれる局も居ないのでワッチしながら考えてみた。バンド状況を暫く見ていると15秒送信、15秒受信の繰り返しであることが判った。CQを出す局は毎分00秒と30秒で送信し、呼ぶ側は毎分15秒と45秒で送信している。バンド状況で任意の局をクリックすると右側の受信周波数で個別にモニタできる。交信したい局がCQを出し終わったタイミングで送信許可をクリックすればいいのだろう、たぶん。

試しにやってみた。応答があるとその後の要領が分からず困るため、送信出力5Wにして、更に絶対届かないようなDX局を選択。8B1て何処だ?
ちなみに9のコールで別宅から送信したのは31年ぶり(゚ー゚;

無事応答されなくてホッとした。別の局に応答があったからアプリが自動的に呼ぶのを止めたのだろうか?そうだとすると、応答があった場合もWSJT-Xが自動でメッセージを送ってくれるのだろうか?兎に角、電信電話と違いPCというインターフェース越しの操作のため直感的にできることが無く、一挙一動すべてが疑問符だらけで、いっぺんにやること考えることが多すぎて無理!ってなるのを何回も繰り返した。ログの記録の仕方も解らんし、デジタルだから自動記録なんだよね?後でADIFに出力してLoTWとかにアップするの?何をどんな順番でどうするのか、手探りで一歩一歩進むしかない。などと考えていると、予期せぬアクシデントが発生。

受信周波数ウインドウに見た事の無い色のハイライトが出現

状況証拠的に当局が呼び出されているのは判る。でもココは8B1局に優先権がある。このまま応答したら8B1局と交信している他局に混信妨害を与えることになる。QSYってどう伝えるの?それより機械の耳でしかデコードできないモードでどこの周波数が空いてるかなんてどう判断するの?まったく予想していなかった。怖過ぎる、なんだこのモード。

では、CQを出してみたらどうか。使っていなさそうな周波数を選んで10分程ワッチしたのち、右下の「Tx6」を選択して送信許可をクリック。一呼吸おいてCQが送出された。そして1回目で応答があり、吃驚する暇もなかった。

WSJT-Xが自動的に交信シークェンスを進めてくれて、相手からのRR73をデコードすると、ログインのポップアップが現れた。

この瞬間、脳内を支配していたクエスチョンマークの霧がサーッと晴れた気がした。CQ出すほうが呼び回りより遥かに簡単だった。

 その後3局連続CQ1回目で応答があった。何なのこのクイックレスポンス。9エリアは国内においては少数だけど、PM86には毎日のようにお出になっておられるビッグガンがいらして既に雑魚化してる筈。3局目との交信中、グアムの局がオンフレでいきなりCQを出し始めて面食らった。DXには勝てないなということで中断。固定から31年ぶりのオンエアーにしてデジタルモードデヴューという斜め上のカムバックを果たした。

FD所感

今回グランドウェーブのコンディションが良くて、交信局数の割にはマルチが獲得出来たと思う。印象に残る交信とその時のビーム方向について記録しておく。使用アンテナは4エレ八木6mH

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1局目のLSEさんは本人HP記事によると筑波山中腹からのQRV。このときは浅間山反射狙い。浅間山の延長線(赤色)がちょうど筑波山に当たるから最短距離の伝搬だったのだろう。14県は終盤にYYP局とも交信した。例年通りなら子授け地蔵Pからの筈。LSEさんの運用地点より標高があって見晴らしも良いが、Sは明らかに弱かった。山体リフレクターの有無ではないかと推測。得られた知見は、ここを向けておけば07、09、13〜16、19は手堅い。

最遠は04県のVTE局、Twitter等の情報から八幡平と仮定。線を引くと伝搬経路のほとんどは海上を通る(緑色)。とは言っても見通せる距離ではないので、日本海ダクトのような類いのスキャッターが出ていた可能性もある。そう言えば2017年のJA9-VUでも秋田県能代市の固定局とQSO成立している。その時は近距離Esかと思っていたが、たぶん違う。Es特有のバズノイズが無かった。

いちばんの謎が5エリア。香川県最高峰の讃岐竜王山と仮定。けれども、ANTは22、23、24辺りの移動局狙いで3エリアに向けていた。白山の北西稜線を掠めるルート(黄色)。何割かが山体に反射して西へ向きを変えたのかもしれない。まぁ理屈と膏薬はどこへでも付くので単なるこじつけだけど。

ちなみに赤と黄色の中間にANTを向けると18と20が結構聞こえていたが、何回呼んでもCQ連発。20県移動で1局だけ粘ってフルコール取ってもらえたが、コールこれでいいかと聞いてくるだけでナンバーを送ってこない。「C」に続けてこちらからナンバー送っても意味が解らないのか聞こえないのか、そうこうするうちにシグナル消失してしまった。微弱電波ですみません。

ローカル(28、30)は固定局が殆どで1局だけ移動局。5年前のJA9-VUで三千坊においてEBしたZFA/9局。三千坊は当局が運用していた国土原より1コ下の尾根でQTHは金沢市になる。直線距離600mぐらい。近過ぎてSSBだと2局が同じバンドに出られない。でも今回は至近距離にしては弱かったので三千坊ではないと確信。でも、三千坊以外に50W焚いて出られる金沢市の運用地は心当たりが無い。ちょっとしたミステリー。

第64回フィールドデーコンテストに参加

2年ぶりのFDは9エリアから参加。移動地はJA9-VUでいつも出ている医王山の国土原休憩所横。標高803m JCC 2810
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7:50到着。生憎の降りしきる雨の中、カッパを着て設営作業。1年ぶりに野外移動した所為か1時間近くかかった。

今年から開始時刻が3時間遅くなったので、終了時刻も3時間遅くなった。そのため、朝から移動でも運用時間が6時間以上あるんで、別宅で朝食を摂ってから登ってきた。実は前日の夕方に本格的な移動局が居ないか偵察しに来てたりする。医王山の三大人気スポット、夕霧峠、三千坊、国見とも先客不在と予め分かっていた。尤も当局のように朝から移動組が居ないとも限らなかったけれど、山頂付近の天候を見れば朝から無線のために登ろうなどという奇特な人はわたしに以外に居ないという自負もあった。

ナンバーを59928Pにセットして8:48スタート。県内などいつでも出来るので先ずは1エリアを狙う。昨年のJA9-VUで浅間山反射という伝搬ルートがあると知った。コンパスで浅間山の方角を確認してビームを向けた。いきなりガツンとJK1Lえす…知ってる局や!一発でCB、今回はお気に入りの場所を確保できたのだろうか。5エレスタック*1筑波山リフレクターは流石に強力である。1局目が14県という斜め上のスタートを切った。ビーム位置そのままで19、09、07と面白いようにマルチが取れる。グランドウェーブが伸びる。30分経ったのでRUNに移行。ほぼ1年ぶりに出すCQは緊張する。3回目で呼ばれた。応答はどうするんだっけ?一瞬動作が止まる。なんとか思い出したセーフ。その後もう1局呼ばれた後は続かず再びS&P。ビームは90度南に振った。ここでもコンディションに助けられ、21県の固定局、29県を獲得。VFOを回しているとVVV QRL?が聞こえた。CQ TEST JF5・・・/5、えっ?四国方向は白山という壁があるため最短距離では絶対届かない。どこに反射してるんだ?呼んだらあっさり応答があった。やったぁ、カムバック以来1123回目のQSOにしてやっとAJD達成。5エリアが最後だったのだ。

2エリアにビームを振ると弱いのがわんさか聞こえるが、殆どがどんだけ呼んでもCQ連発。18、19、20、21すべて聞いたが取れたのは19と21だけ。ANTこっち向いてないのだろうな。7エリアは聞こえたマルチは全て取れた。特に04県はリアル599だった。鳥海山だろうか*2。13時半回ってから1エリアが活発に聞こえ始めた。カスカスの15県はコール3回程送ってやっと成立。その後のRUNでは滅茶苦茶強力な16県移動から呼ばれた。志賀高原かな。ラストは1エリア時代よくQSOして頂いたわいわいぴーさん。QSBの谷間に嵌まってシグナル消失かと思ったら浮いて来て、NRを要求しておられる。そうでなくっちゃ、QRPですみませーんと念じながら繰り返し送出、やっと成立。楽しかった。矢張り、フィールドデーは楽しい。15時コンテスト終了。霧はすっかり晴れて、砺波平野が一望できた。*3

QSOして頂いた皆様ありがとうございました。

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スコアとマルチ

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呼んだけど成立しなかったのは1エリア3局、2エリア5局、0エリア1局
呼んだけど取れなかったマルチは11、18、20

記録

・初5エリア(香川県)
・初宮城県
・モードNew三重県

18:46ログ提出

CTESTWINでログサマリーを生成してメール提出。386番目だった。

次回参加予定

来週のJA9-VUはお盆と重なるので無理。次は10月のOCDX CW(とACAG)かな。

*1:シングルだった模様。

*2:八幡平のようです。

*3:展望所はハイカーの方が居てお邪魔したくなかったので、前日撮った写真でよければこちら